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狐草子

世界が面白くてよかった。大丈夫まだ書ける。

観光地を無駄遣いした話

 

 

はじめに。ここに書かれていることは僕のひねくれた感性を通して見た小樽であり、他の観光客は皆幸せそうに、楽しそうにしていたので、あくまで卑屈なマイノリティーの意見として受け止めてほしい。小樽は間違いなく最高の観光地である。

 

実は、本日早朝から北海道に来ている。9時には函館本線に乗っていた(気がする)

旅の記録なんて帰ってきてから書けばいいのに、なぜわざわざ旅先で書いているかというと、書くという行為がこの不完全燃焼を昇華するために有効そうな行為だったからだ。

 

今日わかったことは、観光地はつまらないということ。僕にとっては。

一人旅が好きで、今年に入ってから大阪、神戸、秋田、青森、神奈川、静岡などに行ったが、どこもとても楽しかった。都内の街歩きも最高におもしろいけれど、それに匹敵するくらい、遠くへの旅もおもしろい。そう思っていた。

 

だけど今回、いま僕は小樽にいるわけだけれども、今までのような楽しさがない。

街を歩いていてもときめかないし、ごはんを食べても、ふつうに美味しいなあと思う程度。(入念に調べてあるので、店がハズレだったということは考え難い)

旅をしているのに、いつもならわくわくして仕方なくなっているはずなのに、なぜだかそれがなかった。

あまりの退屈さに、小樽にいるのに葛飾ラプソディーを歌いながら歩いてしまったほど。

 

理由は南小樽の街を歩いている時に思い当たった。

あまりにも観光地化されすぎているのだ。

南小樽駅から歩いてしばらくすると「メルヘン通り」というものがある。

街並みがどこかヨーロッパ風で、オルゴールやガラス細工、そして北海道名物のチーズケーキのお店が並ぶとてもすてきな通り、のはずだった。

しかし、実際に歩いてみると底抜けにつまらない。

途中で僕の大好きな簪が売っている店があったので入ったけれど、それもなんとなくグッとこない。

あと寿司屋多すぎ。どのお店もにたような海鮮丼を提供している。何で競争しているのだろうか……。

 

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▲やたらパンチの効いた名前の建物もあったけど

 

 

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▲意味不明な看板も多かったけど

 

 

 

観光地化されすぎた場所は、徹底的にその面白さが消されてしまっているような気がしてならない。

そこに行けば必ず、均質に楽しい。そんな場所に行って楽しい気持ちになったって、それは誰かによって既に作られた楽しさだ。

既製の楽しさなんてたかが知れている。ある程度幸せになれるかもしれないけれど、それまでだ。

(余談だが僕は同じ理由でディズニーランドが好きではない)

 

僕が東京の街歩きを愛してやまないのは、普段何気なく通っている場所、素通りしていたそこに

今まで気づかなかった価値やおもしろさを「再発見」する行為が最高に面白いからだ。

この通りを歩いて行くと新宿に行けるんだ!とか、ここ一本はいるとこんな場所があったんだ!こんな美味しいお店があったんだ!とかいう発見。

(東京は地理が死んでいる、という話も含めて、この話はまた今度)

 

今日楽しかったことといえば、空港から札幌までの快速エアポートの内装が最高だったこと、ずっと憧れていた函館本線に乗れたこと、船で洞窟に行ったこと、北海道に上陸してから7時間たってようやく鳥居を発見したこと、その鳥居が最高だったこと。結局、鉄道と秘境と鳥居である。小樽じゃなくてもいいじゃん。

 

 

 

大阪に行った時の僕は、今よりももう少し賢かった。道頓堀でグリコを見たり、くいだおれのマネキンを見たりUSJに行ったりしても自分は何一つ楽しめないとわかっていたから、大阪府南端の「犬鳴山」という、名前からして明らかにやばそうな秘境に何時間もかけていったり(実際ここは渓谷と怪しい鳥居のダブルパンチで最高な場所だった。大阪に行くことがあったら是非訪れてみてほしい)、大好きな太陽の塔と初対面を果たすために万博記念公園に行ったりした。たこやきやおこのみやきは一切口にしないまま、大阪を去った。

 

今回も、南小樽のメルヘン通りや、小樽の運河沿いを歩いているときよりも、小樽からバスで20分の埠頭のてっぺんから海を見下ろしてぼーっとするだけの時間のほうがはるかに素敵だった。

 

「小樽じゃないとできないこと」に縛られすぎた。そんなの気にせず、いつも通り鉄道の内装に興奮して、鳥居を好きなだけ探して、渓谷でも海でも山でも好きな秘境に行くべきだったのだ。変に妥協して海鮮丼とかオルゴールとかガラスとかに流れたからこんな気持ちになっている。

 

繰り返すが、これは僕個人の見解であって、他の観光客はまじでメルヘン通りで楽しそうに買い物をしていたし、運河では、すっかりおなじみ自撮り棒をつかって満面の笑顔を写真に収めている人がたくさんいたから、多分ほんとうに楽しい場所なんだと思う。うん、小樽最高、みなさんも是非訪れてみよう。

 

 

こんな書き方だと小樽界隈がつまらない場所みたいになるから、そんなことないっていうことだけ。小樽からバスで20分の「祝津(しゅくつ)」という場所はとても素敵でした。洞窟に行くために訪れたのだけど、洞窟を行程にいれておいて本当によかったと思った。これがなかったらまじで退屈さに死にたくなっていたはず。

 

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▲青の洞窟。断層とかもおもしろかった。

 

祝津は漁港しかないようなさびれた場所だけれど、雰囲気がなんともいえず良い。猫が会議をしていたし、埠頭の頂点には鳥居があった。しかも朱塗りの神明鳥居。かなり年季が入っていて最高にかっこよかった。そこからの眺め、埠頭のさきっちょなので、右も左も前も海である。

オットセイの野太い叫び声を聞きながら、自分以外だれもいない海を見下ろすのは最高な時間でした。30分とか一瞬で過ぎた。(なぜオットセイの野太い声が聞こえるかというと、ちょうど崖から見下ろしたところに小樽水族館があって、ショーとかやってたからです)

野生のりすに遭遇したりもしました。

 

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▲この海、独り占め。

 

 

 

とまあ、散々観光地ディスをしたけど(しかもこれを小樽の運河沿いのカフェで書いている)、普通に素敵な場所だと思う。小樽の運河も、夜は光が反射してきれいだった。今いるカフェも居心地が良いので紹介しておきます。ケーキも美味しかった。夜はバーになるらしい。

 

http://canale-otaru.com

 

 

 

これから札幌に戻って、残りの日程もほとんど札幌で過ごす予定。

今日の反省を生かして、雨じゃなかったらレンタサイクルつかって鳥居を探す旅に出ようと画策中。

 

要は、準備された生ぬるい楽しさなんて退屈で、楽しさを自分で発見することが好きだ!ということに僕はようやく気付いたという話です。

それが小樽であれ、大阪であれ、東京であれ。
というか、旅や街歩きに限らず。

長いことだらだら書いてそれだけです、すみませんでした。

 

あ、そして明日は日曜数学会in札幌!!

ニコ生があるみたいなので、お時間あるかたは是非

http://live.nicovideo.jp/watch/lv276817664

 

 

 

 

追記:書き終わってから、小樽に対してとても申し訳ない気持ちになってきたのでここで追記。小樽に行っていなかったら祝津にも行けていなかったし、そしたらあのかっこいい鳥居にも青い洞窟にも出会えていなかった。海を独り占めすることもできなかったし、憧れの函館本線に乗ることもできなかった。小樽、行ってよかった。これは本当。