狐草子

世界が面白くてよかった。大丈夫まだ書ける。

研究計画 中世説話文学における狐

  

研究テーマについて

説話文学に「狐」はどのような役割をもって現れるのか。人を化かすだけではなく、人の役に立つようなことをする狐もあり、また、化かすにしても、人に報いるため、私利私欲のため、いたずらのためと、その動機は様々である。中世の説話文学における狐の描かれ方から、当時の人たちにとって狐はどのような存在だったのかを探っていく。

 

狐が文学に出てくる場合、以下の3つに大別することができるとされている

 

①害獣 型
人間に害をなす狐。度を過ぎたいたずらや悪さをしでかす

 

②異類通婚 型
美女に化け、男と結婚する。男に化ける狐があっても良さそうだが、狐は決まって美しい女に化ける。男と結婚した後は、人間より容姿も性格も優れた良妻として幸せに暮らすタイプもあれば、男の生気を吸い取って天狐になるための糧としたり、金を盗んだりバッドエンドへとむかうタイプもある。

 

③報恩型
恩返しタイプ。ごん、お前だったのか……

 

体感としておおよそ正しいように思うが、例外*1をいくつか知っているので、これらに対して新しい視点を見つけることができないか、中世説話文学に限って調べていく。

 

 

 

 

 調査方法

中世における説話文学を通読し、狐が登場するものを集めて整理する。まずは日本霊異記今昔物語集。狐は漢籍にも頻出であるから、中国文学との翻訳・翻案関係にも触れる必要があるだろう。例:聊斎志異

中国における狐、近世文学における狐との比較もできたら良い。伝承における狐の種類など、民俗学も絡めながら深く調査していく必要がある。

また、安倍晴明と狐、平清盛と狐、というふうに狭く絞った上でも研究可能な題材であるため、調べていく中で特に興味の惹かれるもの、学術的な意義を見出せそうなものがあれば随時方向性を変更していく。

 

 

 

研究の動機

 狐が大好き!!!!

 

 

 

 

*1:美女に化けた狐が良家のお嬢様と仲良くなってゆるい百合に展開していく話が、『聊斎志異』の中にある